成人の最大血圧が100mmHg以下の場合は低血圧とされます。低血圧には特に原因疾患が特定されない本態性低血圧と、内分泌疾患や心臓、血管の病気、癌、薬の作用など原因が特定できる続発性低血圧の2種類があります。
低血圧の約9割は本態性低血圧で、体質性低血圧とも呼ばれ、体質の弱い人や女性に多く見られ遺伝の傾向もあります。とくに自覚症状のない場合は、医学的な治療は行われません。
しかし、倦怠感、寝起きが悪い、めまい、立ちくらみ、脱力感、頭痛などの症状に悩まされている方も多く「起立性調節障害」を合併し、午前中の体調や思考力が低下している事で、仕事や学業に支障をきたすケースも少なくありません。
西洋医学では対症療法的に精神安定剤や昇圧薬を使っていますが、低血圧の原因は特定されておらず根本的な治療は確立されていません。
低血圧によく見られる、疲れやすい、だるい、元気がない、朝起きれない、立ちくらみ、少し動くと息切れする、脈拍数が多い、食欲不振、虚弱体質、胃腸虚弱、などの症状や体質はすべて“虚証”に属しています。
虚証の中でも体の新陳代謝を推進する力や、生命エネルギーが足りない“気虚”の状態が顕著ですから、元気を補う朝鮮人参や黄耆など補気薬の入った漢方薬で治療します。
疲れ、だるさがひどく、筋力が弱く胃下垂などのある人には補中益気湯、おなかで水がポチャポチャと音がし、食欲のない人には香砂六君子湯、手足や腹が冷え、暖かいものを好み、下痢をしやすい人には人参湯や桂枝人参湯を服用します。
気虚の症状と同時に水分代謝の異常があらわれ、むくみ、めまい、立ちくらみ、などがみられる人には、防已黄耆湯や苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯を併用します。
低血圧は貧血、冷え性、低体温症などと一緒になって虚弱体質傾向の方によく見られます。特に若い女性に圧倒的に多く見られる体質でもあります。栄養を補給し、睡眠時間を充分にとった規則正しい生活を心がけて適切な漢方薬を服用すれば、つらい症状は比較的簡単に治せますので、ぜひご相談下さい。