よくあるご質問

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漢方薬は効きますか?
効きます。しかし、漢方薬ですべての病気が治せるわけではありません。重い細菌感染症、狭心症や喘息の発作時、緊急救命時の薬剤は当然西洋薬(化学薬品)で、対応しなければなりません。感染症にかかりにくい丈夫な体質にしたり喘息や狭心症の発作を予防したり、月経不順や不妊症体質を治したい時、アトピー体質を改善したい時等、体質改善、未病を治すのが漢方薬の最も得意とする分野です。
漢方薬は高いというイメージがありますが、どのくらい費用がかかりますか?
使われる生薬の量や種類にもよりますが、当店では、ほとんどの場合、漢方製剤(エキス顆粒、細粒)で1日分200円~500円、煎じ薬で1日分250円~600円の間でお渡ししています。
自分に適した漢方薬はどのように選んだらよいのでしょうか?
一番お勧めの方法は、熟練した専門家に相談することです。20~30分の時間は必要ですが、最も効果のある漢方薬を選んでくれるでしょう。書店で専門書を買い求め自己判断で、買われてゆく方もいらっしゃいますが、効果の出にくい漢方薬(例えば不妊症に当帰芍薬散、肝炎に小柴胡渇等)を選んでいる場合が、しばしば見うけられます。本で得た知識は、専門家と相談する時の参考にする程度にとどめておく方が良いでしょう。
どくだみ、はとむぎ、ゲンノショウコ、黄連を煎じて服用することと、漢方薬の違いは何ですか。
漢方薬はきちんとした伝統医学理論の上に成り立っていて、どくだみ、はとむぎ、ゲンノショウコ等を単独あるいは、数種類、混ぜ合わせて煎じて服用するような民間療法とは、全く違います。たとえば、黄連と朝鮮人参は胃腸薬としてよく使われている薬草ですが、民間療法では明確な使い分けはされていません。ところが、漢方医学では、黄連は清熱薬に分類され、炎症、熱、出血のある時に使われ朝鮮人参は、補養薬に分類され、元気の回復を早めたい時や消化吸収機能を良くしたい時に使われます。
わかりやすく言えば、同じ下痢に使う場合でも黄連は食あたりの下痢(急性の下痢)に使う薬草、朝鮮人参は冷えや消化吸収力の低下の下痢(慢性の下痢)に使う薬草と決まっているのです。
このように漢方医学では、すべての薬草、生薬において、生薬薬理上の使い分け、組み合わせの法則があります。さらに、漢方医学の診察法、診断法がありその中で処方されるのです。これらのことからも、漢方薬を選ぶ時、専門家と相談することの大切さが、おわかりいただけたと思います。
病院で、漢方薬をもらいましたが、薬局の漢方薬とのちがいはありますか?
薬の名前が同じであれば、処方内容は同じです。しかし、健康保険に採用されている漢方薬で種類が限られており、一般的な病院で処方される漢方薬は20~30種類のストックの中から
肝炎 = 小柴胡渇
不妊症・月経不順 = 当帰芍薬散
子宮筋腫・子宮内膜症 = 桂枝茯苓丸
風邪 = 葛根湯 等
のように、病名だけで漢方薬を選んでいる場合が多数あります。
このような使い方をすると、漢方薬本来の効果が出ないばかりか、体に合わない薬を長期間服用することにより、多くはありませんが、副作用が出る場合もあります。
当店は漢方エキス剤で500種以上、生薬、薬草500種以上、煎じ薬はすべてそろえてあり、その中から、体質に合っているものを選薬します。
漢方薬はどのような病気に効果的なのでしょうか?
漢方薬は風邪薬や胃腸薬、便秘薬などでお使いになられている方も多いと思いますし、病院でもよく処方されるようになりました。神経痛や高血圧症、アレルギー体質の改善など多くの慢性病の改善に使っていただきたいのですが、特にアトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚病の改善や月経不順、不妊症体質の改善など婦人科の病気、胃腸が弱く下痢しやすい体質の改善などは漢方薬の得意分野で、他の医薬品では得られない良い効き目があります。西洋医学はからだの悪い部分を取り去ったり病原菌を直接殺したりすることが得意ですが、体質に関することは苦手です。漢方薬はその人の体質を改善して病気を治す力(自然治癒力)を引き出すことに重点を置いています。このように西洋医学と漢方はそれぞれの不足する部分を補っているといえます。
漢方薬でも副作用があると聞いていますがどのような副作用があるのでしょうか?
数年前、厚生省の緊急案全情報で、健康保険で使われていた医療用漢方製剤の小柴胡渇の副作用と考えられる(薬剤製)間質性肺炎で最近の2年間に10例の死亡があったと発表されました。
このことが、新聞やTVで大きく報道された結果漢方薬は、すべて危険な副作用があると誤解する人が多くなりました。当時、小柴胡渇は慢性肝炎の治療薬として、ウィルス性肺炎や肝硬変の患者推定100万人に投与されていました。この中で、間質性肺炎の発生は2年間に88例でした。この発生頻度は、小柴胡渇を服用している人10万人のうち1年間に約4人の発生となります。
これは、西洋薬の副作用発生頻度を現わす指標として使われている最も低いランク0.1%未満の副作用(10万人に100人)を現わす。『まれに』からみて、極めて少ない数だといえます。
しかも、これは原因不明で自然に発生する自発性間質性肺炎の発生頻度と同程度の数でもあります。死亡例は、小柴胡渇服用患者20万人のうち1年間に1人となり、これも薬剤性肺炎として、発熱、咳呼吸困難等の症状が出てから、薬剤の中止ステロイド剤の使用等必要に応じて適切な措置を取れば、死に至る危険性はもっと少なくなると考えられています。
他の副作用として注意されているのは?
甘草 … カリウム減少作用(むくみ、だるさ、血圧上昇)
麻黄 … 狭心症誘発作用、胃腸障害(胃もたれ、胸やけ)
柴湖 … 尿路炎症状
桂枝 … 発疹
当帰、地黄 … 胃腸障害(胃もたれ、胸やけ、下痢)等ありますが、いずれも症状が出たら中止することにより改善しますから、重篤な結果を招くようなことは、まずありません。
漢方専門家の多くは、漢方をよく知らない医師薬剤師が、漢方薬を誤用していることが、副作用を起こす大きな原因であると指摘しています。
実際に
肝炎 = 小柴胡渇
風邪 = 葛根湯
不妊症、月経不順 = 当帰芍薬散
のように、病名と漢方薬を簡単に結びつけて考えていることは本来、効果的な漢方治療(弁証論治)とかけ離れたもので、簡単に結びつけて考えることは、無知のもたらす結果であり、運良く副作用が出なくても肝腎の主作用はほとんど期待できないと考えられています。
大切なことは漢方薬に含まれる薬草(生薬)一つ一つの薬理作用を十分に考慮しながら服用者の変化を2週間~1ヶ月単位で、観察しながら、漢方薬を選んでゆくことです。そうすれば、漢方薬は副作用のきわめて少ない安全な薬であるといえます。
漢方薬は長く服用するイメージがあるのですが、どのくらいの期間服用するのですか?
病気や症状によって、治療期間に差があります。急性の病気は1~2週間、慢性の病気は1ヶ月以上数ヶ月になると考えて下さい。慢性の病気でも3週間から1ヶ月単位で症状の変化を診ながら漢方薬を選んでゆきます。医師、薬剤師にかかわらず、漢方薬を選ぶものの能力によっても、当然治療期間に差が生じます。治療期間の予測、薬の説明が不十分な先生は漢方薬に未熟と考えて良いと思います。
漢方薬は煎じる以外に、どのようなものがありますか?
一般的に、漢方薬は煎じ薬と認識されていますが、昔から粉薬(散薬)と丸薬も多く造られています。生薬の有効成分の中には、水に溶出しにくいものも多く、そういった特性を持つ生薬は、散薬、丸薬として使われてきました。現在は、これらの他に漢方エキス剤という製薬メーカーで加工調整された、顆粒剤、錠剤シロップ剤等手軽に服用できるものが、数多く造られています。
漢方薬を急にやめてもだいじょうぶですか?
漢方薬は、急にやめても、だいじょうぶです。リバウンド、現代医薬品に見られるよな副作用はありません。しかし病気が治りきっていない場合には、とれていた症状が、現われる可能性がありますので、通常は服用量を少しずつ減量しながらやめてゆきます。
漢方薬とはどのような物ですか
漢方薬は中国で発展した医学で、約3000年の歴史があります。四診という独自の診断法があり、これによって集めた情報から証を決定し生薬(薬草)を組み合わせて薬を出します。現在はこれに西洋医学での病名と検査データも加えて参考にしています。たとえば胃腸に良いといわれる薬草に黄連と朝鮮人参があります。黄連はかつて大野が有名な産地だったこともありご存知の方も多いと思いますし、朝鮮人参は滋養強壮の生薬の代表的なものです。同じ胃腸の薬草ですが使い方がまったく違います。黄連は炎症を鎮め、細菌の繁殖をおさえ、出血を治してくれますから胃炎や胃潰瘍、胸焼け、吐き気など熱の症状があるときに使います。朝鮮人参は胃腸の消化吸収力が弱く冷たい物が苦手な方に使います。このように薬草はそれぞれの性質や効き目の違いがありますので、いろいろな薬草が組み合わされてできている漢方薬を選ぶ場合はぜひ専門家に相談されることをお勧めします。
漢方薬を服用する際に注意すべき点はありますか?
最近は一般向けの健康雑誌で漢方薬が紹介されることが多くなりました。本を買わなくてもインターネットでたやすく情報が得られるようになっています。自分の病気や服用する薬について一定も知識を持つことは大切なのですが、インターネットなどでたやすく得られる情報は販売の促進を目的に作られている場合が多く、良いことばかり書き並べてあるので注意が必要です。もっとも危険なことは海外の製品を個人輸入することです。健康食品やサプリメントもそうなのですが海外の製品は表示と内容が一致しない物がよくあります。漢方薬だと思って個人輸入して服用していたら副作用の強い化学薬品が入っていて健康被害が発生した事件は皆さんの記憶に新しいと思います。薬局で販売されている漢方薬は海外の製品を含めすべて有効性と安全性が保障されていますが、通信販売や特に個人輸入したものは、健康被害などのトラブルがあってもすべて自己責任となります。覚せい剤など法律で禁止されている薬物が入っていた場合は購入したがわにも責任が問われますので十分注意してください。健康や薬に関する情報は薬のプロである薬剤師にお気軽にご相談ください。
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